鬼と四人の子ら

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島尾ミホ朗読『鬼と四人の子ら』

前に、Thibautに頼まれて作った、Amoebaという音源の中にある、島尾ミホさんの語りが文字で読めるものを見つけた。私の音源は、柴田南雄さんの作品集から使わせて頂いていて、聞き取りやすいけど、かなり文脈を曲解しているので、このまま聴いた方がいいでしょうね..。

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今は全然周知されていないが、権利をviolateするくらい聴かれたら消すつもりです。

今はお金とインターネットが直接繋がる時代になってしまって、素直に紹介できないのが残念です。この音源以外にも、柴田さんの音楽も、合唱も、アルバム全体ですごく素晴らしいです。

 

この時のコンセプトは、今の日本の国が無くなっても残る日本の音楽、という感じだった。

そういう時もちろん難しいのは、渡来文化の関係とか、縄文弥生でも違うしといったものですが、最終的に現時点では曖昧なまま出してしまいました。

頭にあったのは、石井達郎先生が前に断言してくださった、『日本のオリジナルの文化は、暗黒舞踏と、「具体 GUTAI」しかない』という言葉だった。

 

知っている中から派生して集めていく中で、オリジナリティがある、と感じていたもの、思っていたもの、また、かつ、ハブになっているもの(吉増剛造からは色々、接続の手が伸びて出ているけれどー北村透谷など..)

候補の中には「宮沢賢治が聴いていたクラシックのレコード音源」

埴谷雄高の音源をサンプリングする、などもあったが、流れを優先してやめてしまった。

とにかく入れたかったのは、「合唱」。情緒的な合唱も独自性を感じてはいたが、外国の人には伝わるかどうかわからなかったので、アバンギャルドな合唱という意味で、中学の時に聴いて驚いた曲を断片的な記憶(歌詞と、足踏みが途中であるなど)で検索して出てきた、「かみさまへの手紙」という、一曲を入れたいとは思っていた。これも入れず、日本神話についての歌にした。

あとはDumbtypeは絶対だった。(冒頭はDJ Spookyでそのあとも中国の伝統曲が入っているので最初からコンセプトから逸脱してしまっているが..とにかく精神的にはそうだった、)

別に無くなって欲しい訳ではないし、日本のことが好きだけど、本当に、海の音しか残ってないのが思い浮かぶ。

今の音楽も洋服も、精神も、当たり前だけどほとんど欧米ベースなので、本当に探すのも選ぶのも難しくて、頼まれてから一年くらい経っていた気がする..。宝塚は凄い文化だと思うから、リサーチできたら入れたかったが..。能とかも、そのころは全国の能の違いを知らなかったので、五、六年前に外国の友達のDJがミックスに入れてて、そういう表に出てきていて残りそうなジャポニズムはそれでそれでいいと思うし、自分はやりたく無いなと思っていたし、結果として、今考えてみると、芸能山城組が三曲くらい入ってしまっているけど(笑)、

今ならアニメの曲と8ビットやゲーム音楽を避けないだろう..。JAシーザー氏は勿論凄いけれど、依頼してくれたthibautが寺山修司が好きな人だったので入れなかった。

結局日本がなんなのか作ってみてもわからなかったが、個人的にいつも思い浮かべるのは、溝口健二の「山椒太夫」の最後のシーン。

あの海がいつの海で、日本かどうかなんてわからないが、

あと、探しても画像が出てこなかったが、岸田今日子さんが中上健次の「千年の愉楽」を上演された時のオリュウノオバが一人で、円形の舞台のような所にいる様子。。

だから、柴田さんの音源で、島尾さんが、大勢の大和言葉が話し始めても一人、語り続けていて、途中でやめる様子は、私にとってすごく理想的な光景だった。

語りやめても、一人、佇んでいるのが感じられて。

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